あれは恋だった

仲良しの女友達からいきなり長文メールが着た。内容はとても抽象的にわたしを褒め称えるもので、電車の中にも関わらずそれを読みながらボロボロ泣いた。
ちょうど一年前、大好きなあの人は「好きな人がいる」とわたしに話してくれた。彼の口から聞いたのは、紛れもないこの子の名前。あれからずっと、私はこの子になりたかった。
彼があの子にフられ、私の二度目の告白が実り、彼と過ごしてまたフられてしまった。理由は「好きかどうかわからない、そんなことをずっと考えてしまう」
意地っ張りなわたしはあの子にだけは恋愛相談ができなかった。付き合っている間、何度も2人に無意味なやきもちを妬いた。やっぱり私はあの子になりたかった、でも、なれなかった。